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第12部分(第4/5 頁)

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「……あ、ゆむ……?」

恐る恐る聲をかけると、ゆっくりと體が離れていった。健人の顔を覗き込み、落ち著いているのを見ると「大丈夫?」と今度は確認するように尋ねてきた。

「え、あ……、うん」

どう返事をして良いのか分からず、健人は頷くだけ頷くと歩は健人の頭を撫でて「良かった」と笑った。今まで見たことの無い、歩の笑顔に健人は固まった。へらへらしているわけでもなく、無理をして笑っているわけでもない、クラスメ��趣艘姢護皮い毪瑜Δ收瘠轆蓼い啃︻啢扦玀勝ぁ=∪摔坤堡訟頦堡啃Δ撙坤盲俊�

電気が復舊したのか、パパッと何度か點滅した後、リビングに燈りが點いた。間近にいる歩の顔をじっと見つめて、どうしてここにいるのかと考えたが、理解できなかった。そして、なぜ、あんなふうに抱きしめたのかも分からない。雷が鳴り始めて、轟音とともに停電したところまでは覚えているが、歩が帰ってきたことなど覚えていなかった。

「……雷、苦手だったんだね」

「え……?」

「あんまり、無理しないほうがいいよ。じゃ、俺、風呂入ってくるから」

歩は目も合わさずにそう言うとすぐに階段を上がって行ってしまった。何が起こったのか分からず、健人はその場に座り込んだまま、きょとんとしていた。濡れた體に抱きしめられたせいで、服が濡れて冷たいはずなのに、パニックに陥ったときと同じように心拍數が上がっていき、體が熱くなってきた。

助けてくれた理由が分からない。嫌いだと言って、2ヶ月以上口すら利いていなかったと言うのに。かなり嫌っていたはずなのに、こんなことをされて気持ち悪いとも思わない自分の感情に、健人は戸惑っていた。

それは歩も、同じだった。

階段を駆け上がり、自室へ入ると同時に大きく息を吐き出す。雨が降り始めて、雷が鳴り、健人が怖がっているのではないかと思ったら我を忘れたように走り出していた。蹲って震えている健人を見たら、放っておけなかった。嫌っていて、顔も見たくない、口も利きたくないと思っていたのに、どうして抱きしめてしまったのか自分の行動が分からなかった。

「……何、してんだ。俺は……」

部屋の扉に憑れて、ずり落ちていく。恐る恐る名前を呼ばれた聲が忘れられない。

健人が、名前を呼ぶのは、初めてのことだった。落ち著かない鼓動を抑えるように、歩は自分の胸を握り締めた。

ようやく雨もやみ、心拍數が落ち著いてきた頃、濡れた服にク��椹‘の風が當たり健人は身震いした。抱きしめられただけでこんなにも濡れてしまったのだから、歩はもっと濡れていたんだろう。たまたま外に居るときに雨が降ってきてしまったのか、それとも健人が怖がっているのを知って、雨が降っている中を帰ってきたのかどうかは分からない。けれど、大丈夫と言って宥めてくれた聲が忘れられなかった。

このままでは風邪をひいてしまうと思い、健人は立ち上がった。部屋に向かおうとして階段の近くに行くと、びしょぬれになったカバンが放置されていた。それは紛れも無く歩のもので、こんなところに放置していても邪魔なだけだ。片付けようとして、伸ばした手が止まる。勝手に片付けたりなんかしたら、歩は機嫌を悪くしそうだ。しかし、気づいてしまった以上、放置しておく

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